はじめてさん仕事用のパソコンを買い替えたいです。補助金でパソコン代が出ると聞きました。先に買って、あとから申請すればいいですか。
ナビさんその順番だと、補助金は受け取れません。パソコンだけの申請もできません。大事な条件は3つです。順に見ていきましょう。
結論:登録されたソフトとセットで、交付決定の後に買う
パソコン代に使える補助金に、デジタル化・AI導入補助金2026があります。2025年までの「IT導入補助金」と同じ事務局の制度です。この記事では、その中の**インボイス枠(インボイス対応類型)**を説明します。
パソコンを補助の対象にするには、少なくとも次の3つが要ります。
- **ソフトとセットで申請する。**公式サイトには「ハードウェアのみの申請は不可」とあります。
- ソフトとパソコンを、同じ事業者から買う。買う先は、ソフトを登録しているIT導入支援事業者です。
- **契約も購入も、交付決定の後にする。**交付決定は、事務局が補助すると決めることです。先に契約したものは対象外です。
ソフトは、インボイス制度(消費税の請求書のルール)に対応したものです。「会計」「受発注」「決済」のどれかの機能が要ります。受発注は注文のやり取り、決済は代金の受け払いです。ほかの店で買ったパソコンは、2の条件に合いません。
機器にも条件があります。ソフトを使い続けるのに要る、最低限のものに限られます。パソコンは、レジ以外の用途で使うものが対象です。価格は、市場価格の範囲であることが要ります。交付決定の後でも、価格や用途に疑いがあれば取り消されることがあります。
自分はどれに当たるか
個人事業主・フリーランスは対象か
対象です。公募要領は、申請のルールを書いた文書です。その中の中小企業・小規模事業者の定義に、「個人事業主」が入っています。
ただし、過去にIT導入補助金を受けた人は、対象外になることがあります。2024・2025年のインボイス枠を受けた人は、申請できません。2022・2023年のデジタル化基盤導入枠で受けた人も同じです。2022〜2025年にほかの枠で受けた人は、審査で減点されます。賃上げの計画を立てて実行する条件も付きます。
小規模事業者に当たると、ソフトの補助率が上がります。区分は、常に雇っている従業員の数で決まります。商業・サービス業なら5人以下です。宿泊業・娯楽業と製造業などは20人以下です。個人事業主本人は、この従業員の数に入りません。
申請の前に要るもの
公募要領では、申請の前に次の準備が要ります。
- GビズIDプライムの取得。行政の手続きに使う、事業者用のアカウントです。発行まで、おおむね2週間かかります。個人事業主は、印鑑登録証明書の原本と、実印を押した申請書が要ります。
- SECURITY ACTIONの「一つ星」か「二つ星」の宣言。情報セキュリティ対策に取り組むことを、自分で宣言する制度です。
- 本人確認書類。運転免許証、運転経歴証明書、住民票(発行から3か月以内)のどれかです。ほかの書類は認められません。
- 所得税の納税証明書(その1かその2)。
- 2025年分の確定申告書の控え。税務署が受け取ったと分かるものに限ります。受付番号と受付日時の印字か、受信通知で確かめます。
- 青色申告決算書か、収支内訳書。
具体例:補助額と補助率
パソコンなどの機器と、ソフトで補助率が違います。機能は「会計」「受発注」「決済」の3つで数えます。
| 対象 | 補助額の上限 | 補助率 |
|---|---|---|
| PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機 | 10万円 | 1/2以内 |
| POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機 | 20万円 | 1/2以内 |
| ソフトウェア(機能が1つ) | 50万円 | 3/4以内(小規模事業者は4/5以内) |
| ソフトウェア(機能が2つ以上) | 350万円 | 補助額50万円までは上と同じ。超える部分は2/3以内 |
消費税は補助の対象外です。計算は税抜の額で考えます。
たとえば税抜8万円のパソコンなら、目安は8万円×1/2で4万円です。
クラウド型のソフトは、最大2年分の利用料が対象です。たとえば年2万円のソフトなら、2年分の4万円が対象です。小規模事業者なら、目安は4万円×4/5で32,000円です。
どちらも目安です。額は、実績報告の後に確定します。
はじめてさんパソコンは、ソフトを買う事業者から一緒に買うんですね。
ナビさんそうです。契約は交付決定の後です。代金はいったん自分で全額を払います。補助金は、そのあとに入ります。
手順:申請から受け取った後までの順番
- IT導入支援事業者と、導入するソフトを選びます。この段階では契約しません。
- GビズIDプライムを取得し、SECURITY ACTIONを宣言します。
- 事業者から、申請用のページ(申請マイページ)に招待してもらいます。そこで交付申請(補助金の申請)を出します。ページのIDとパスワードは、事業者にも渡しません。申請の操作は、自分で行います。
- 交付決定を待ちます。
- 交付決定の後に、ソフトとパソコンを契約して買います。代金は、事業者から請求を受けてから払います。
- 実績報告を出します。買ったものと、支払いの証拠を出す手続きです。期間は、交付決定からおおむね6か月です。パソコンは、納品書と、設置した状態の写真が要ります。ラベルを貼った状態の写真も要ります。
- 補助金を受け取ります。そのあともソフトを使い続け、効果報告を出します。効果報告の前に解約すると、補助金を返すことがあります。
支払いは、銀行振込かクレジットカードの1回払いです。振込は自分名義の口座から、カードは本人名義のものを使います。窓口やATMでの現金払いと、分割払いは使えません。ほかの方法で払うと、補助金を受け取れません。
自己負担を減らすキャッシュバックなどの売り方は、不正として扱われます。
締切と交付決定の日は、申請する回ごとに決まります。公式サイトの「事業スケジュール」で確かめてください。
用語をひらく
- インボイス枠(インボイス対応類型)
- デジタル化・AI導入補助金2026の申請枠の一つ。インボイス制度に対応したソフトの導入を補助する。パソコンなどの機器も、ソフトとあわせれば対象になる。
- IT導入支援事業者
- 補助の対象になるソフトを、事務局に登録している販売事業者。申請者は、この事業者と一緒に申請を進める。
- 交付決定
- 事務局が申請を審査し、補助すると決めること。契約や購入は、この決定の後に行う。
- 小規模事業者
- 従業員の数で決まる区分。商業・サービス業なら5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業などは20人以下。ソフトの補助額のうち、50万円以下の部分の補助率が4/5以内に上がる。
- 公募要領
- 枠ごとに公開される、申請のルールを書いた文書。対象者・対象経費・手続きが書いてある。年度の途中で改訂されるので、最新の版を確かめる。